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屋根は夏の強い日差しを浴びたり、梅雨の長雨にさらされたりするため、

年月とともに傷みや劣化が激しくなります。

そこで、屋根のリフォームが必要になりますが、

リフォームの方法にはいくつかあり、その一つが「カバー工法」です。

 

 

カバー工法とは

カバー工法とは、既存の屋根の上に防水シートを張り、

さらに新しい屋根をかぶせる工事のことです。

その形態から「重ね葺き(かさねぶき)」とも呼ばれます。

一方、既存の屋根を剥がして

新しい屋根材に張り替える工事を「葺き替え(ふきかえ)」と言います。

カバー工法は葺き替えとは違い、

既存の屋根をが剥がす作業が無いため、工事が短期で終了します。

なお、カバー工法によるリフォームは、既存の屋根が「スレート」や

「薄い金属(ブリキ・トタン・ガルバリウム鋼板など)」の場合が基本になります。

カバー工法で新たにかぶせる屋根材は主に、

「ガルバリウム鋼板」と「アスファルトシングル」の2種類があります。

 

ガルバリウム鋼板

見た目がオシャレで耐久性も高くなりますが、

反面施工が難しく、その分費用が高くなる傾向にあります。

 

アスファルトシングル

比較的安価に工事できますが、台風などの強風に弱いという欠点があります。

 

 

カバー工法のメリットとデメリット

カバー工法を採用するメリットには主に以下が挙げられます。

1)工事費用が安い。

2)工事期間が短い。

3)工事の際に騒音やホコリが出にくい。

4)家の断熱性や遮音性が上がる。

5)処理費用が安く済む。

カバー工法は既存の屋根の上に新しい屋根材を載せる工法のため、

手間のかからない分、人件費や材料の処分費を抑えることができます。

また、古い屋根を撤去する必要が無いため、大きな騒音の出ることもありません。

一方、カバー工法のデメリットには以下などがあります。

1)既存の屋根の傷みが治るわけではない。

2)施工後に異常が生じた時に修理費が高くなる。

3)瓦屋根には適さない。

4)耐震性が下がる。

5)火災保険の付かない可能性がある。

カバー工法では古い屋根が残るため、

古い屋根自体の傷みや劣化が改善できるわけではありません。

カバー工法で隠せたとしても、屋根の下地が腐っていた場合は、

カバー工法後も劣化が進行します。

仮に、雨漏りなどの異常が発生すると、

古い屋根と新しい屋根の両方を撤去することになるため、

手間と費用が通常の工事よりもかなり多くなります。

 

 

カバー工法の選択基準

カバー工法の選択は以下のケースが判断基準になります。

1)予算的に葺き替え工事が難しい。

2)屋根材がアスベスト入りのために撤去費用が嵩む。

3)数年後には転居や建て替えの予定がある。

費用としては、カバー工法の方が葺き替えより大幅に安くなります。

特に、アスベストが含まれた屋根材の場合は、撤去に高額な費用がかかります。

また、数年後に家自体を建て替える予定があれば、

とりあえずカバー工法でリフォームしておく方が合理的です。

ちなみに、建て替えの予定がある場合で、

屋根の劣化が少ない時は塗装をし直すという方法もあります。

なお、以下のようなケースではカバー工法は適しません。

1)過去にカバー工法の工事をしている。

2)屋根が瓦でできている。

3)屋根の下地が劣化している。

4)耐震性が低い。

5)予算に余裕がある。

6)何十年も住み続ける。

上記の1)～4)に該当する場合は、そもそもカバー工法ができません。

また、カバー工法を行うと、屋根の重量が30%程重くなるため、耐震性が下がります。

その影響で、耐震基準法に抵触する場合はカバー工法を行うことができません。

 

 

まとめ

カバー工法というのは、既存の屋根の上に新しい屋根を載せる工事のことです。

工事が容易にできるため、時間や費用がかかりません。

ただし、既存の屋根が新しくなるわけではないため、

下地が劣化していると再工事の必要になることがあります。

また、根本的にカバー工法のできない屋根もあります。